2022年の短歌 「短歌人」2022年1月号 掲載歌 蹴破れるほどの仕切りの隙間から名前も知らぬ隣人の足 業界に骨を埋めた仲間らは通夜の席でもおはようという ホームドア撤去工事の工員は最後の人の後ろに並ぶ 普段ならあなたと入る居酒屋であなたが苦手な内臓を食む ... 2024.04.16 2022年の短歌短歌
2021年の短歌 「短歌人」2021年12月号 掲載歌 軽々と沖縄行きを告げてから慌てて用事があってと付ける 顔大の窓が切りとる営みはとるに足らないものとなり海 海の絵をあお一色で描いていたわたしに渡すみどりのクーピー 漕ぐ母の後ろで少女はひっそりと大きく腕を広げる空... 2024.04.15 2021年の短歌短歌
2021年の短歌 「短歌人」2021年11月 掲載歌 命日が近づくにつれ自堕落になる生活に君を探した 友の子の成長話に花が咲きマグロは乾く君の陰膳 墓探す君の職人仲間らにビデオ通話でどれか教える パスワード忘れ出てきた質問に忘れたはずの人の名を打つ 紅生姜と共... 2024.04.15 2021年の短歌短歌
2021年の短歌 「短歌人」2021年10月号 掲載歌 夕焼けに染まりはしたがかたくなに内をみせない黒ポリ袋 槽のなか放っておかれたブラジャーの色で夕陽はわたしを責める イヤホンの右と左を分けあってしてない方の耳そばだてて 人をイラつかせる専門学校を首席で卒業したのね... 2024.04.15 2021年の短歌短歌
2021年の短歌 「短歌人」2021年9月号 掲載歌 四週間かけて身体を駆け巡る片道切符のモデルナの旅 焼かれゆく豚のかしらをみつめゆく頭はいつかただ焼かれゆく タン塩に敷いた鉄網すり抜けて葱は黒ずみ焼く側に立つ テンキーを会社に忘れいつもより軽快さを欠くきみの打鍵... 2024.04.06 2021年の短歌短歌