「短歌人」2021年5月号 掲載歌

コート着る日と着ない日の境目をグラデーションできみは彩る

ぼく以外気づくことない出来物を分け目ずらしてぼくから隠す

開くはずと信じた人は諦めて反対のドアから降り 一人

駅前のパチンコ店の看板が二〇時以降の家路を照らす

きみの足中心に花がさく さく この薄氷を辿れば春だ

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